競馬場へ行こう!!

第3回 12月19日帯広競馬場

 ばんえい競馬は、重種牡馬のばん馬が、最大1トンくらいの重さのそりを引いて走る、独特の競馬です。2つの障害のある200mの直線コースを、フルゲート10頭で争います。平地の競争とは違っていて、おもしろいです。

レースの流れ

 フルゲートは10頭で、ほとんどのレースがフルゲートで行われます。ダートコースの上に緑色のロープが張ってあって、何かと思ったら、陸上でいうところのセパレートコースなんですね。そりゃそうだ。いきなり目の前で止まられちゃよけるだけで大変です。

 さてゲートが開いて、まずは第一障害。これはそれほど高くないので、全馬難なくクリア。次に第二障害がありますが、どの馬もだいたい10mくらい手前でいったん止まります。たまにスタートで出遅れたりしますが、第一障害をのろのろ越えていたりしますが、だいたいここで追いつきます。

障害手前  もうおわかりかと思いますが、勝負の分かれ目はこの第二障害です。ただ越えればいいというのではなく、早く越えればいいわけでもありません。帯広競馬場は、ばんえい競馬が行われる4場(旭川、岩見沢、帯広、北見)のなかで、もっとも厳しい第二障害を持っています。で、どうやって越えるのかといいますと、まず障害の10mくらい手前で全馬が止まり、そろそろと障害に近づきます。そして障害のすぐ前でまた止まり、何秒かの間、しーんとなります。ここで馬の呼吸を合わせたり、相手の出方を見たり(ばんえいでもやはり脚質があって、先に越えた方がいい馬とか、ゆっくり息を入れた方がいい馬とかいるらしい。)目に見えない駆け引きが行われているようです。

 そして、突如かけ声をかけて1頭が登り始めます。それを待っていたかのように、他の馬も次々と登り始めます。これは最前列で見ると迫力ありますね。騎手はみんな大声を上げて、「とりゃー」とかいいながら手綱をふります。騎手のこれは最前列だとはっきり聞こえます。そしてなぜか係員の人もわきで声を出して応援してたりします。

障害を越えるところ  馬はそれに応えて、障害を登ります。だいたい登りの半分くらいは勢いをつけて登って、ここからが力勝負。前脚で踏ん張り、後ろ脚を蹴って1歩ずつ登ります。時々、どうやっても坂の途中で登り切れなくなって止まったり、踏ん張りきれずに「ぺちゃ」とつぶれてしまう馬もいます。そういう馬は他の馬が全部ゴールしても1頭だけまだ第二障害を登ってたりします。なんか給食の居残りみたいで、騎手もなんか恥ずかしそう。

 障害を無事越えたら、あとはゴール目指して突き進むのみ。「早く登ればいいものではない」というのは、ここでかなり順位が入れ替わるということ。最初に越えたけど5着だったとか、4番目くらいに越えたけど勝ったとか、能力の差ももちろんありますが、第二障害をいかにロスなく越えるかが最後の脚色に影響しているのは確かですね。

 あと、平地競争では馬の先端がゴールを越えたらおしまいですが、ばんえいの場合はそりがゴールを越えないと、ゴールしたとは認められません。元来「荷物を運ぶ競争だから」だそうです。

パドック

パドック  パドックは平地競馬と基本的には同じ。まず厩務員が引いて何周かして、その後騎手がのって回ります。馬具はピンクとか黄色とか、全体的に派手な色のものを使います。あと面白いのは鐙と鞍がないこと。まあレースのときには馬にまたがるわけではないので、必要ないですが。従って馬に乗る方法も違います。普通は鐙に片足をかけて、そのあとその脚を踏ん張ってひょいと乗る(確かそのとき他の人の手を借りる)のですが、鐙がないのでまず馬の左側(後ろから見て)にいるときは右足を、逆の時は左足を振り上げて、自転車に乗るというか、ベリーロールのような感じで乗ってました。

 どの馬が調子がいいのか??一生懸命見たけど、わかりませんでした。馬は写真のようにころっとして、まるまるな感じです。馬体重は3歳だと800kgを切る馬もいますが、だいたい軽くて800kg台前半くらい。重い馬では1100kg台前半くらいの馬がいましたね。競馬新聞見た感じでは。

馬券について

 馬券の種類はいたってシンプル。単複、そして枠連のみ(確か友引制度あり)。マークカードなんて気の利いたものはなく、窓口の人に買い目と金額を言って買います。だけど慣れるとこっちの方が楽ですね。

 私が行ったときは堅めの配当が多く、枠連250円なんてのもありましたが、普段はもう少し荒れるみたい。ただ1レースだけ、1番人気が大障害の坂上で「ぺちゃ」っとつぶれてしんがり負けのおかげで、枠連19,000円とか出ました。私はどちらもとってませんが。

 ちなみに馬券はぜーんぶはずれ。だってめちゃめちゃ難しいんだもん。原因を考えてみましたが、

さいごに

 馬券はダメだったけど、静と動があって、なかなか奥が深いと思いました。やっぱりこれは生で見なきゃあ。

 だけど、競馬場を見る限り、経営的には厳しそうです。でも、地元の熱心なファンが結構いるし、1時代前の競馬場みたいで、とてもいいですね。

 あとこの数日後、ばんえい競馬の第一人者である金山騎手が、調教師に転身することが発表になりました。金山騎手の騎乗は初めて見ましたが、まさか最後になるとは・・・・。ちょっと残念ですが、調教師としての活躍を期待しましょう。

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