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七日 世間一般の恋として考えるなら、牽牛星と織女星の一年に一度の逢瀬などと 返事 わたしたちの絶えぬ縁が、これからもずっと浅(あ)せないでいればいいではないか。 【語釈】 ●大方に……「おほかたを」の本文あり。 ・「おほかたに」世間並みに考えれば 『全評』『叢書』 ・「おほかたに」世の常一般の恋として考えれば 『論考』『国文』 ・「おほかたに」ざっと考えてみると 『新書』 ・「おほかたを」世の常一般の恋を思うと 『評釈』 ・「おほかたを」一般的なこととして考えると 『大系』 ・「おほかたを」一年の中の全体の日々のことを考えると 『集成』 ●大方に……宣孝の歌とする説と、式部の歌とする説あり。 ・宣孝 『論考』『叢書』『集成』『評釈』『大系』 ・式部 『国文』『経緯』 ●大方に思へばゆゆし……世間●よその雲居にて……わたしたちには関係のない天上のことであって。 ●絶えぬ契りし世々にあせずは……「ずは」は打消助動詞の「ず」+係助詞「は」。〜でなくて、〜せずに、〜ないなら、などという意味を表す。わたしたちの夫婦としての縁も、いつまでも衰えなければいいではないか。 【参考】 『風雅和歌集』巻五、秋上、465 「大方を 思へばゆゝし 天の川 今日のあふ瀬は うらやまれけり」 |