調味料

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 『倭名類聚抄』などに記載のある平安時代の調味料についてまとめています。 

甘味料 飴(あめ) 糯米・粳・米・粟などの澱粉を蒸し煮し、麦芽で糖化して作る甘味料。
蜜(みち) はちみつのこと。
甘葛煎(あまづらせん) 千歳纍(あまづら)と呼ばれる蔓草の茎の切り口から垂れる甘い汁を煮詰めて漉したもの。高級な甘味料であった。
堅塩(かたしお・きたし)・黒塩(こくえん) 未精製の固形粗製焼塩。不純物が多い。
搗塩(つきしお)・割塩(わりしお) 粉砕した堅塩
熬塩(いりしお)・白塩(あわしお) 鉄釜で焼き、精製した細粒状の高級焼塩。
生塩(きしお)・荒塩(あらしお) 焼成する前の苦汁を含む塩
鹹塩(からしお) 濃縮された海水
石塩(いししお)・戎塩(えびすしお) 舶来の塩か。
酢・辛酒(す・からさけ) 米酢・酒酢・果実酢・梅酢など。
醤・未醤 穀醤(こくひしお) 現在のみそ・醤油にあたる。大豆に粳米や小麦・酒・塩などを混ぜて作った。
宍醤・肉醤(ししひしお) 獣肉や臓物にサンショウやニレの粉末を擦り込んで、塩漬けにして自家消化起こさせたもの。現在の塩辛。
豆醤・豆醢(まめひしお) 大豆製の塩辛。
草醤(くさひしお) 野菜を醤で漬けたもの。現在の漬物の祖先。
未醤(みそ) 大豆を原料とした穀醤に近いものだったらしい。羮・茹菜・漬菜・草餅などの味付けに用いた。原料配合比が『延喜式』では大豆100に対し米麹5.4、塩13.3、小麦1.8、酒3となっている。
鼓(くき) 大豆発酵食品。醤油のようなもの。麹菌で発酵させる。
だし 煎汁(いろり) 鰹または大豆の煎じ汁のこと。イノシン酸とグルタミン酸を含むうまみ調味料ともいうもので、味は濃厚。煮物の調味に用いた。
荏油(えのあぶら) 荏胡麻から取れる油。
胡麻油(ごまのあぶら) 唐菓子を作るときに使われたが、炎があがらず煤も少ないため、灯火用としても利用された。
槾油(ほそきのあぶら) イヌザンショウから取れる油。
海石榴油(つばきのあぶら) 椿の種子から取った油。食用または整髪用に使われる。