今回の写真はここにあります。

七日目

朝、足音と話し声で目が覚めた。昨日の夜もそうした事があったが、気にする間もなく眠ってしまった。どうも中国人の家族連れらしい。何せ廊下がほぼ無いホテルだから、音が近くて気になる。階段をばたばた走る音もする。これは後で分かったがメイドだった。エレベータが小さいので、カートを乗せると自分は大急ぎで階段を上り下りしていた。結構うるさい。それはそうだ、見れば180cmくらい身長がある。やれやれ"Gott sei Dank!!"ですなあ。

11時前にバゲッジをレセプションに預け、勇んで出かけるが、天気が今ひとつ。今日は昨日のルートとは違う線でデュッセルドルフに行く。ICEが増えたのは本当に有り難い。コブレンツまでの時間とそう変わらずに行けるのだから時間が有効に使える。昔だとライン左岸をICで延々3時間半は必要だった。ただ殆どの特別列車は次の宿のあるマインツを通らないので、夕方行く列車を考えないといけない。そんな事を考えながら車中の人となる。昔はボン、ケルンを通ってルール地方の主要な街を見られたが、新しい線ではケルンのメッセ駅しか通らない。デュッセルドルフ駅(Duesseldorf city)に着いたのは13時半頃だった。早く着けると書いた割には遅い時間だが、実はフランクフルトで遅れて到着していたミュンヘン行きに乗ってしまったのだ。ひと駅乗ってアシャフェンブルク(Aschafenburg)と言う所まで行ってしまったのだ。ミュンヘンとドルトムントをICEは日に何往復もしているので、案外早く戻れるので愛嬌だったが。しかし、ミュンヘン方面は晴れていた。空を見上げると、初心貫徹すべきか少し心が動いた。ミュンヘンも好きだが、ちょっと遠すぎるなあ。時間が倍掛かる、諦めよう。と言う訳で、寄り道して遅くなったので。

話をデュッセルドルフ戻そう。久し振りに雨だ。持って来た傘が役に立つのは本当は有り難くないが、情緒だと思うしかない。生まれて初めてこの地に降りた時、駅前の屋台でReibekuchenというものを食べた。醤油を焦がしたの様な良い香りに釣られて買ってみたのだったが、これはジャガイモの澱粉で作った揚げ物で塩味だが、どうもマギーシーズニングを使っている様なのだ。この街だけのものでもないのだが、駅の出口近くにこの屋台があるので、つい食べてみたくなる。と言う訳で、1枚買って食べながら歩く。初めて食べた時はしょっぱくて油まみれで、なんじゃこれはと言う感じだったのだけれど。どうも癖になる味だ。タバスコも合うかも。大抵はアップルソースなど用意してあるのだが、私はリンゴの煮たのはどうもいけない。ドイツでは塩味だけで良いと思うものに、いろいろソースがかけてあったりする。原料はクリームだったり、果物だったり。断ると変な顔をされるが、断る!

何故この街に来たかと言えば、ここが好きなので、つい立ち寄りたくなるとしか言い様が無い。ニュルンベルクやミュンヘンもそうなのだが、何故好きかはっきりとした理由がある訳ではない。でも敢て言うなら街が奇麗だし、加えてやはり挙げるのは日本食だ。特にラーメンが旨い(1981年にパリで食ったラーメンは不味かった。今は旨いだろう)。前回(2011年)来た時に「匠」という店で食べた。老舗の「なにわ」が休みだったから来たのだが、当たりだったので、今回はここが目当てだ。駅からインマーマン通りを歩いて5分くらいで到着。店は満席に近く、ドイツ人の客も多い。

みそラーメンと餃子のセットを頼む。ここは西山ラーメンを使っているのだから、妥当だろう。待っていると、隣のテーブルのドイツ人のカップルが話しかけて来た。ドイツ語と英語のどっちで話すのが良いか、と訊かれたので「英語で」と答える。すると「客が来た時に“Syaimasehehehe”と言っているが、あれは何を言っているのか?」と訊く。なるほど、ここの店員は全員日本人で、日本式にやる。それに店員のほとんどがドイツ語も英語もよく分からない様なので、訊くに訊けなかったのだろう。言葉が出来る店員は大忙しだし。「あれは『いらっしゃいませ』と言っていて、意味は“Willkommen”“Welcome”の意味だよ。」と教えた。すると「ああそうなのか!あれは何か音楽みたいで、私は好きだな」と言う。日本語がドイツ人には音楽の様に響くと言うのは新鮮だった。帰りがけに店の人にこの事を話し、店に意味を書いておくと良いのではないかと、提案しておいた。序でに向こうからの情報だが、支店を出したとの事。豚骨ラーメンの店で、「なにわ」のすぐ近くだと。おいおい、老舗に喧嘩売っているのかい(笑)興味もあってその店の写真を撮りに行った。「なにわ」はこの日も休みだった。

広い宮廷の庭(ホフガルテンHofgarten)からハインリッヒハイネアレー(H.Heine allee)、ケーニヒスアレー(Koenigs Allee)と言うのが何時も歩くコースなのだが、大工事中だ!高速は途切れ、地下鉄工事で町中が凄い事になっていた。余り奇麗とは言いがたく、がっかりしてしまった。時期が悪かったと言うしかないので駅に戻る。その帰り道に何となく選んだ道に見覚えがあった。デジャブーかと思ったら、初めてこの街で泊まったホテルの前に出た。記憶と言うのは面白いものだ。無意識下で、実は道を選んでいたのだ。そのホテルはビスマルクホテルと言うのだが、25年経っても変わっていなかった。ここで、朝飯に友人とベーコンエッグを頼んだ時に彼は“Egg”と言ったのに対し、私は“Eggs”と言った。すると調理していたお姉ちゃんがちゃんと聞いていて、私だけ卵が2個だった事を思い出していた。聞いているもんだ(笑)まあ通常は1個の所をちょっと得した訳だが。それ以外にもいろいろあった。駅の中のIBISに泊まった時に、他の客の勧めで入った支那料理屋の味付けがドイツ人向けで悪甘かった事とか、YMCA(ドイツ語だとCVJM)というホテルは、他に会社のある雑居ビルにあったので、朝飯を食っていると仕切りはあるのだが、周りを通勤のビジネスマンが沢山通ったり、Linden Hofと言う所では日本語の出来るお姉ちゃんがいて「シャワーと風呂なら、日本人は風呂よねえ」と風呂付きの部屋にしてくれたり、面白い事が沢山あった。思い出に暫し浸った。

この日はフランクフルトに何かあるらしく、ホテル代が3倍くらいになるのでマインツに宿を取っていた。移動があるので、急ぎICEに乗りフランクフルトに戻る。バゲッジを出してもらい、転がして再度駅へ向かう。空港に回るICEが多いので、マインツを通るICEを注意深く選ぶ。それに、またアシャフェンブルクに行くのはしんどいので(笑) 

乗ってしまえば20分くらいで着いてしまう。マインツはずいぶん前に一度見た事があったが、泊まるのは初めてだ。ホテルは駅前のKoenigshofと言う所。ベルリンのホテルと同じ名前(王の家の意 )だが、よくある名前だから関係は無い。さて、このホテルはベルリンと違って立派なホテルだった。レストランもあるので、Garniではなくホテルだ。レセプションに行くと女の人がいたが、鍵を寄越しても全く笑顔が無い。うーん、ドイツだ。最近はドイツでも笑顔を見せる人も多いが、もともと不機嫌そうに対応する人が多い。こちらが不愉快になる様な態度の人も少なくない。とはいえ、部屋に行くと広いし、清潔だ。悪くない。今回泊まったホテルの中では白眉だろう。チェックアウトも12時なので、ゆっくり出来る。飯をどうしようかと思ったが、街に出ても雨だし店を探すのも面倒だ。例によってマーケットで色々買う事にした。それにREWEはすぐに見付かった。ここのは大きい。早速入ると大きい冷蔵ショーケースに寿司を含めて軽食が沢山。寿司は本当にポピュラーになっている。2年前は普通のマーケットには無かった。それ程多くの店を見た訳ではないが、ドイツに来る度によく見る様になっている。そしてそれは割り箸がある事を意味しているので、部屋で食べるのに一膳もらうと実に便利なのだ。Reibekuchenのパックがあったので、ポテトサラダと共に日本に持ち帰る事にして購入。ビールを買って、ハム、ベーコンも。500mlのヴァイツェンが0.99EURだ。買ったものを持って帰り、早速食べる事にした。しかし、部屋に冷蔵庫が無いのでビールはほぼ常温で飲む。ヴァイツェンは常温でも旨いので食が進んだ。疲れも手伝い早めに床に付く。

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