旅日記2013

4月3日初日の2

イミグレーションが混んででいなかったのは幸いだった。急いで入国手続きをを済ませ、手荷物を受け取りFernbahnhof(長距離駅)に向かう。この駅は綺麗なので大好きだ。一刻も早く乗りたいが、ジャーマンレールパスのチェックも受けないといけない。窓口にはそこそこの人が待っている。意外に早く順番が来て、窓口の係員の対応も良かった。しかし、時刻表を見るとすぐにはICEが無い!結局20分ほど待って乗り込むと車内のReiseplan(1等車内に置いてある運行表で乗り換えも分かる)を早速開く。見ればマンハイムでSバーンに乗換えると20時15分前に到着だ。

なぜ焦っていたかと言えば、前に述べた様にハイデルベルクで3日泊まるホテル、Hotel Eliteは20時までしかレセプションが開いていない。遅れる場合は電話をして入るためのコードを教えてもらわなければならないのだ。それに英語で表情の見えない相手と電話をするのは嫌いだ。日本語でも電話は嫌なのに。幸いICEはほぼ定刻で到着したが、今度はハイデルベルクに行くSバーンが途中で何回も止まる。泣きっ面に蜂と言うべきか、弱り目に祟り目と言うべきか。今のドイツで時刻表トリックはあり得ない。十津川警部シリーズは、絶対嘘だと非難されるだろう。清張の「点と線」も全く成り立たない。戦後間もなくでも時刻表トリックが成立した日本の鉄道は偉いというか大したものだなあ。最終的に到着したのは20時5分前だ。とにかく電話をすべく探すが、二年前にはホームにもあったのに無い!ドイツも携帯の増加で公衆電話は激減していた。漸く見つけたので、KDDIのスーパーワールドカードで掛けようしたが、これが上手くいかない。対応していない物も多いのだ。

硬貨は出国時に交換出来ないので、持っていない。何通話分か残っているICの古いカードを持ってくれば、と後悔したがどうしようもない。既に20時を回り気分は絶望的だが、それでも何とかしないといけない。ふと見ると営業後にレジのチェックをしているパン屋のお姉さんがいたので、電話を掛けたいので両替してくれないかと下手なドイツ語を総動員して頼んだ。有難い事に快く替えてくれた。すぐにホテルに電話すると、女の人が出て「5番の市電で来て下さい」と言う。「待っていてくれるんですか」と問うと「待っています」と言う答え。あら嬉しや。となるとタクシーでは近すぎるし、市電だとキップを買ったりするのに時間が掛かる。結論としてその場から歩き出した。10回も来ていると、ある程度の土地勘はあるので、何とか15分くらいで行けるはずだが、問題は暗くなって、目標物が見にくい事だ。それでも間違えずに近くまで行き、そこで通り掛かりの人に訊くが、皆このホテルを知らない。まあ、確かに住んでいる人はその街のホテルには泊まらないから、知らないのも当然か。そうして道を尋ね、4組目に出会った家族連れに訊くと「付いて来て」と言う。地獄で仏、は言い過ぎかも知れないが、本当に有り難かった。何処から来たのと訊かれたので、今しがた日本からと答えると吃驚していた。ホテル近くでお礼を言って別れる。結局20分くらいで到着。ほっとした。

件の女性はレセプションで待っていてくれた。手続きをして部屋に。そこはホテルの前の別棟(Haus Bunsen)だった。ネットで色々見てはいたが、実際に見るのはやはり違う。写真に比べて古びているが、まあ風情があると言っておこう。エレベータが無いので、高くとも2階にして欲しいと言って置き、承諾の返事を貰っていたが、その通りにしてくれていた。嬉しい事に階段の数は5段ほどで、ほぼ1階だった。次の日に朝食の為に本館に行ってみるとゾッとする程険しい階段があった。

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