4月5日火曜日

ケルンのケルシュとデュッセルドルフのラーメン

今日はルール地方、デュッセルドルフとケルンを観にゆく。しかし、本心を言えばラーメンとケルシュビールを味わう為だ。デュッセルドルフの「なにわ」はお気に入りのラーメン屋で、一時経営が変わったのか味がダメになったが前回来た時(2008年)に復活して美味かった。そしてケルシュは未だ飲んでないので、どんなものか楽しみだ。

 まずはマンハイムに行きICAに乗る。ホテルからハイデルベルク中央駅まで歩く事にしたが、暑い。いつもと道を変えて歩いたら迷った。近いはずだが駅が見えない。急ぎ足で行ったが、どうもまずいと思い通りがかりの人に訊くと。案の定90度ずれ、逆方向に向かっていた。自分が思ったよりずいぶん曲がっていたのだ。日本でも城下町などは道が曲がっているが、ハイデルベルクも危ない。ようやく駅に着きSバーンに乗り込む。

 それでもICAに乗るまでは予定通りで良かったが、これが遅れた。ボンのジーゲブルクと言う駅で30分ほど動かない。デュッセルドルフに定刻に着かないと滞在時間が余り無い。残念ながら悪い予感は的中し、乗り換えのケルンに20分ほど遅れ到着。連絡のICは既に出ていた、しかも2本も! 慌てて駅の時刻表を見ると、RE(地域急行/快速)があったので急ぎ乗り込む。幸いにもこれは定刻に発車し定刻に到着。長距離だけ遅れている訳だ。ICE何やってるんだ!

 旧来のライン川左岸を走る線とは別に専用線を敷いたので、マンハイムからケルンまでの所用時間は短くなった。景色と引き換えにではあるが、3時間以上掛かったのが1時間半で行ける様になったのだ。それなのにこんなに遅れたのでは意味が無い。思うに本数が増えた事もあるだろうし、ICEの国際列車を走らせる様になってからダイヤの乱れが始まった。そう言えば列車毎に「アルブレヒトデューラー」とか「シュポア」とか名前があったが、見なくなった。いちいち名前を付けられるほど、列車が少なく無いのだろう。でもまあ定刻にさえ動けば便利なのだが...。そんな事を考えているうちにデュッセルドルフに到着。30分ほどの旅だった。

 1時間半しかいられないので、一番の目的であるラーメン屋の「なにわ」に向かうが何たる事か定休日だった。気を取り直し、100メートルほど手前に「匠」という新しいラーメン屋を見付けていたので、そちらに向かう。思った以上の人気店だ、来客が引きも切らずある。札幌ラーメンの店だったので、「味噌」を頼んだがこれが美味い。聞けば2006年に開店だそうだ。これは楽しみが増えたなあ、ドイツのラーメンは美味いから。何たる天の配剤。災い転じて福かな?! 日本にいてラーメンの為に新幹線で移動という事は、まあ無いけれどこれも旅の楽しみ。レールパスあっての贅沢である。

 ホフガルテンを見る前にKさんが両替をするというのでドイツバンクへ。キャッシュレートは127円で大分円安(2011年8月現在110円でこぼこ)になっていた。序にTCの交換に手数料はいくらかと訊くと「ウチじゃやっていない。駅かライゼバンクへ行け」とケンもほろろ。どうもこの銀行はエリート臭さが鼻につく。ここで話を戻してウルムでCITIバンクが無くなっていた件だが、ハイデルベルクでも無くなっていてTARGOという銀行に変わっていた。要するに日本同様に支店網を縮小していたのだ。CITIの支店網はフランスのクレジットミューチュアル銀行に売られ、その後2008年に個人客向けとして設立された銀行らしい。手数料無しでTCを交換するのは無理そうだ。もうTCは完全に時代に取り残された感がある。(その後TCそのものが無くなってしまった)

 時間もないのでそそくさとホフガルテンの一部を見て駅に向かうが、予定の列車は無理だと判断し、1本あとの列車にする。昔からこの街が好きで、奇麗なケーニヒスアレーやハインリッヒハイネアレー、更には食堂、飲屋街のボルカーシュトラーセなど見たい所はあったのだが、今回の短い滞在では致し方ない。

 ケルンでは更に時間に追われていたのでドム(DOM 二つの尖塔を持つ壮大な教会)を見てすぐ駅へ、と言っても真ん前だが。せっかくなので、ケルシュを飲もうと構内の店を巡る。大きい駅だがケルシュを飲める店が見付からない。するとケルシュを置いているカウンターの寿司屋があった。そこで件のビールを頼んだが、寿司屋なのに従業員には日本人はおろかドイツ人もいない。東南アジア系の店員が働いている。ドイツ語もよく聞き取れず、英語は全く駄目だったが、何とかケルシュを飲む。ヴァイツェンと同じ様な上面発酵のビールなのに、発泡酒の様な軽いビールだ。まあ、一度でいいかな。それにしても寿司の人気は本物の様だ。いかにも生きの悪そうな魚の切り身が並ぶこんな店ですら、結構繁盛している。あんまり外人に旨い物を教えちゃいけない。こっちの食うものがなくなるじゃないか。

 予定のICEまで15分あったが、ホームには既に列車が着ていた。乗り込むと案に相違して10分前に動き出した。さては間違えたか!と思ったがミュンヘン行である。Reiseplan(一等車に置いてある時刻表)を見ると、時刻がほぼ1時間ズレているのを見て合点がいった。先行の列車なのだ。つまりICEは遅れに遅れていた訳だ。おかげで予定の時刻にはハイデルベルクに到着したのだから、何が幸いするか分からないものだ。尤も、遅れないのが良いに決まっているんだけれど(笑)

 駅のインフォメーションで、交通機関と博物館などのパス(Heidelberg Welcome Card)を買おうと思ったが、登山電車(ケーブルカー)が修理中で使えないとの事。それじゃつまらない。ケーニッヒシュトゥールに行くのが目的というより、それに乗るのが好きなのだし、乗らないなら個別に切符を買う方が安い。

 また歩いてホテルに戻ったが、ハイデルベルクに着いた時に足のマメが潰れていた。17時半に長谷川まゆみさんが来てKさんの買い物を手伝ってくれるという手筈だったが、この思わぬケガで同行せずに一人休む事にした。

その後19時にSchnizel-Bankという店で待ち合わせしていたので、赴く。ここは何度も来ているが、ワインが旨い。序でながらBankが付くとSchnizelはドイツトンカツの事ではなく、木工作業卓の事だ。ここはテーブル全てにそれを使っているので、店名にしている。

シュニッツェルバンクにて

ハンスさんお薦めの白ワインから始めたが、途中でが飲みたくなり店の人に訊くと試飲をさせてくれた。カベルネソーヴィニヨンともうひとつは忘れたが、そっちは甘くカベルネは程よい渋さがあったのでこれにした。これが美味い。

 料理はフラムクーヘン(Frammkuchen)というオランダ発祥のピザに似たものをKさんが、私はハクセ(この店ではGrillHaxeだが普通はSchweinehaxe)に挑戦した。ハクセというと店員がにやりとした。これは子豚の脛を骨ごとグリルしたもので、量が多い。

 実は20年前(1994年)長谷川まゆみさんとハイデルベルクでバッタリ再会した時、その前にも食べた。その前にミュンヘンでも食べたが、その時ハイデルベルクで食べたのは相当大きかった。再会して夜に一緒に行った店が同じ店(フュッタークルッペという店だが無くなった)だった。「ハクセを食べたのに、また食べに来たやつがいる」と店員が言っていたそうだ(笑)。

 さて、ここのハクセも大きかったが食べられない程ではなかった。骨が結構太くて程々の量だった。とにかくカリッと焼けた皮が堪らない。ドイツはとにかく豚肉が美味い。毎日はきついかもしれないが、旅で食べるのは幾らでもいけそうだ。それに豚には劣る気がするが鶏も牛も美味しい。半割の若鶏のグリルもグーラーシュも良い。

 さて会話は昨日の様に原発で白熱する事も無く、和やかに歓談して過ごした。途中でKさんがこの店のビールグラスが欲しいと言い出し、結果目出度く2つ購入した。この日は実によく飲んだし、食べた。最後にヴァイツェンを所望するとハンスさんが「日本人はワインの後にビールを飲んだりするが、自分には考えられない。」と言った。確かにドイツ人は酒に関し、チャンポンは余りしないらしい。が、放っといてくれ。私は飲みたい物を飲むのだ(笑) 長谷川さんとは、次の日またKさんの買い物に付き合ってもらう約束をして帰路に着く。この日の飲み代はKさん持ちだった。御馳走様でした!

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