4月1日金曜日

成田空港

 天気は良し、ドイツに向かうべく駅へ急ぐ。今回は初めて成田スカイアクセス線を使う。今回は大学オケの先輩(以降Kさんと表記)の都合に合わせて一週間ほどの旅だが三年ぶりの渡独なので、楽しみだ。

 大震災の後だし取り止めようかとも考えたが(保険を使えば損は無かったけれど)、自粛で経済活動の停滞を招く事はむしろ良くないと考え、予定通り行く事にした。成田エクスプレスの運休で前日泊とされたKさんとは、成田で待ち合わせている。

 スカイアクセス線は速い、1時間足らずで空港に到着した。チェックインは既にWeb上で済ませ、プリンタで搭乗券も出していた。携帯を使えば更に簡単だが、それではセキュリティーが甘くなりそうだ。何でも携帯に頼っては、失くした時が怖い。それにしても便利な世の中になったもので、初めてドイツに赴いた折とは隔世の感がある。

 Kさんとはすぐに合流出来たので空港内をゆっくり見物。朝飯が未だだったのでスープストックに入り食す。制限区域に入り、免税店も見るが特に欲しい物もない。煙草を吸っていた時は煙草を買ったものだが。搭乗時間が近付きゲートに行くと人が少ない。やはり震災の影響はここに及んでいた。

 搭乗するとCAが来て、席が空いているので広く使っても良いと案内してくれた。こんなに空いたANAに乗るのは久しぶりだ。B777-300という機種で中央の席はジャンボより1席少ない。それでも3席を独り占め出来ると楽だ。窓際の席は先輩に譲り、そこに移る事にした。閉ざされた空間でこうした事は有り難いが、国の経済を考えれば問題だ。CAに聞けばやはり外国からの乗客がいないとの事。いつもならドイツ人が半数を占めるのに、見た所外国人は一人だけだ。そんな事を考えていると離陸の時間になった。

 機内の設備は以前より充実している。映画だけでも30本以上ある。まずは「相棒 ザ・ムービー2」を見る。前から気になっていたものだったので面白かった。それから「デジャヴ」「ねこばん」などを見て、目が疲れると音楽を聴いて過ごす。食事は例によってブラッディメリー(機内でしか飲まない )を飲み、生姜焼きを食べたが、これも前より皿数こそ減っているが美味かった。いつも持て余していた甘いだけのドイツ仕様のケーキなど要らなかったので、良い変更だ。

ミュンヘンの街へ

 さて、今回は初めてミュンヘンに降りる。チケットを取る段になって分かったのだが、ANAは成田から2010年7月に飛ぶ様になったらしい。前は関空から2便だけだったと記憶している。ここは1992年開港で正式名称はフランツ・ヨーゼフ・シュトラウス空港(Flughafen Franz Josef Strauss)と言うが、バイエルン州の首相を長く務めた人に由来しているそうだ。残念ながらR.シュトラウスの父親とも、J.シュトラウス二世の弟とも関係はない。フランクフルト同様と言うより海の少ないドイツでは当然だが、内陸空港なので付近住民との交渉は成田の失敗を参考に進めたとの由。ほぼ定刻通り第2ターミナルに到着。空港内は新しく奇麗で店も華やかな感じがする。フランクフルトより良い気もするが、未だ分からない。

 ミュンヘンまでは28キロくらいらしい。Sバーンでも行けるが、敢えてルフトハンザシャトルバスの乗客となった。前から一度乗りたかったし、地上を走るほうが景色が見られるからだ。ケルピンスキーホテルと言う空港内にあるホテルの前にバスはあった。チケットは運転手から購入出来る。客は少なく7人ほどだったが第1ターミナルなどの停留所に停まり、最終的には10数人になった。アウトバーンを走っている時は良かったが、一般道に降りると途中大変な渋滞だった。

 それでも19時前に到着。最初の宿Europaecher Hofにチェックインする。ネットで予約し、Early Birdという割引制度を利用したので、一泊朝食付き5000円程度になった。DBのミュンヘン駅の真ん前なのにである。部屋は広くシンプルだ。前に泊まった時に気に入っていた。それとホテルを決める際に大事な事がある。ネットだ。前回2008年には、これが使えなくて往生したので必至である。このホテルではイサーネットが24時間無料だが連続して使う様に設定してあり、フレキシーではない。しかしKさんの分が使えるので、48時間はOKだ。カードキーになって、使い勝手が向上している。伝統的なごつい鍵は扱いが面倒だった(安心感はあったが)。持って出られないので、一々フロントに預けなくてはならないからだ。

最初の食事

 まずは待望のドイツ飯。伝統的なドイツ食が食べたかったので、駅近くのアウクスティナーケラー(Augustinerkeller アウクスティナーと言うビール醸造元直営の店)に予約を入れていたのだが、返事が来ていなかった。まさか日本人の放射能汚染を気にしているのかと思ったが、聞けばイースターの時期で毎日大勢の客が訪れる為その対処に追われ、予約のメールを見ていなかったらしい。それでも無事テーブルをゲット。確かにすごい人の数だ。どんどん入れ替わり広いホールも常に満員の状態だった。

 ここは醸造所の店なので自社ビールがお薦めだ。チーズ(Kaeseteller)を肴に生、ヴァイス(ヴァイツェンなのだが少し混ぜ物があるらしい)、ドゥンケル(日本の黒ビールとほぼ同じ味)を飲む。さらにソーセージプレート(Wurstteller)を頼み腹を満たす。Kさんが写真を撮っていると、近くの席の客がシャッターを切ろうと言ってくれた。ドイツ人は基本的に親切である。Kさんが帰り際に握手を求めるとテーブルの人全員が応じ、ちょっとした親善を果たす。ドイツ語は出来なくても、何とかなるものだなあと思った。この日はこれでおしまい。明日はザルツブルクに行く。

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