このページはJavaScriptを使用しています。
従ってJavaScriptに非対応のブラウザでは、うまく表示されない部分もあります。
芸美短談
essays
1万5000年前の顔料 1999年9月15日
毎年6月から年末にかけて、前年の考古学上の発掘の成果の中から
トピックスになった遺物を一堂に集めて全国の主要都市の博物館等
で発表するという文化庁主催の「新発見考古速報展」という物が
開催されている。
毎年近県の会場に足を運びそのすばらしい成果の数々を見に行くわけだが
本年は筆者の地元長野市の「長野市立博物館」が会場となっていたので
早速出かけていった。
どの遺物も一年の成果の中からの選りすぐりであって一見の価値のある物だが
今回の展覧会では特に「旧石器時代」の顔料の原石と其れを摺り落とした
台石が、画材人としては興味惹かれた。
北海道の千歳市柏台1遺跡から出土の物だが、年代は1万5000年から
2万2000年前に推定され、教科書でお馴染みのスペインのアルタミラ
洞窟壁画とほぼ同年代という大発見である。
顔料の原石は赤色で直径数センチあまり、台石にはそのくぼみに赤色が染みついていた。
おそらく日本国内の「最古の画材」といっても良いのでは無かろうか。
この顔料で描かれた物は見つかっていないので何ともいえないが、どこかに壁画
を描いたり、皮に塗ってみたりしたか、顔に塗って化粧をしたのか、
想像はつきない。
何れにしろ少なくとも1万5000年前の人間が、意志を持って色を手にして
居たのだから、これは感動を禁じ得ない。
絵を描いてみたいが自分にはどうも・・・などと二の足を踏んでいる21世紀に
生きようとしている皆さん、是非今すぐ画材を手にして何でも良いから
ARTしていただきたい。「旧石器人」に笑われちゃいますよ。
(イラストはイメージ)
ポイントカード
御覧いただいたあなたには10ポイント進呈。
ポイントご希望の方は下のボタンを押して下さい。
※貴方のメールアドレスが送信されます。
Copyright(c)1999 GOGAKU Gazai Allrights reserved
ご意見、ご質問は下記へどうぞ
please feel free to give us your feedback.
am-takagi@msb.biglobe.ne.jp