芸美短談

essays


子供とCGアート 2001.3.10


最近、我が家の3歳8ケ月の息子が私のパソコンに興味を持ちだし、いじり壊されては大変なので、ペイント系のソフトで遊ばせることにした。
カラーパレットから色を選び、筆はこれで、ツールはこれでと教えたところ、すぐにマウスでクリクリと丸やら四角を描き始める。なるほど頭が柔らかく、固定概念もないと言うことは幸せなことと思ってはみたが、 自分は果たしていつ頃絵筆を持ったであろうかと考えた。当然自分の時代にはパソコンなど存在しなかったことは思い出すまでもない。

息子の作業をよく見ていると、パターンがあり、まずは画面全体を単一の色でくまなく塗りつぶすのに夢中となったいる。塗り終わると色を変えて又塗りつぶす。よくぞあきないものである。 次に、線や塗りつぶしで丸や四角を描き始め、色も次々に変え筆のパターンも替えて画面のあちこちをランダムに(本人は計算しているとすると天才か?)クリクリはじめる。 掲載している画像はそんな作品?の1枚である。
実は、この以前から絵の具と筆と紙は別に与えて遊ばせていた、作業的には同じことをしていた。塗りつぶしや、不定型な線の踊る画面である。それがパソコン画面に置き換わっているので違いはないと言えばそれまでだが、 本人の満足度は、実際の筆書きとマウスではやや違うようにも見受けられる。
パソコンでは筆の形や太さが選べて、そこそこねらった感じにもっていけているのではないか?そう思わせる表情が見受けられるのだ。
但し、おきまりのお父さん、お母さんの、顔に手足の生えた絵は、筆の時にしか描かない。
色のコンポジションで遊ぶにはお気に入りのパソコンも、身近な人間を描くのに不向きな物と彼が思っていてくれているとしたら、随分と幸せなことではないかと私は思うのだが、皆さんはいかがでしょうか?

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