08月「沈黙」




 ―――ギガマリン・医務室

「ん・・・ここは」
「医務室」
「あ、気がついた気がついた」
「お兄ちゃん」
「おぉ、みんな・・・」
「わかる?Hyper GOD slider で溺れたの」
「(アレのどこがGODなんだ・・・)」
「『漢なら仰向けで頭から』とか言って無茶してね」
「お兄ちゃん・・・」
「ははは」
「涼音お姉ちゃんが助けてくれたんだよ」
「そりゃスマンかったな。って、人工呼吸とかしてねーだろうな?」
「はっ。ソレをしたのはアッチよ」

 手首を反して親指で指差したそこには

「やぁ!気がついたようだね!」
「マッ・・・・(チョ・・・・)」
「まだ顔色が悪いね。もう少し休んでいきなさい。ではっ!」

バタン

「・・・・・・」
「それじゃ私たちも行くね」
「へ?」
「アンタのおかげでマダちっとも泳いでないんだから」
「あぁ」
「少し休んでから戻ってきなよ」
「わかったよ」
「ごめんね」
「いや」

バタン

「薄情なやつらめ・・・」

 ―――廊下

「なんで監視員の人がしたなんて言ったの?」
「私がシたなんて言って、変に気ぃ遣われるのも嫌だし」
「そっかぁ・・・」
「・・・・・・」
「ごめんね」
「え?」

 そう言って涼音は自分の揃えた人差し指と中指にキスをして、
 その指を美香の口にあてた。

「えっ!?」
「おすそわけ


つづく

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