05月「休日」
「お兄ちゃ〜ん」
「あ〜?」
「どっか行こうよ〜」
「あ゛〜?」
「せっかくのゴールデンウィークなんだからさぁ」
「どこがゴールデンだ」
「それはそうだけどサぁ」
「だから、こんなしょーもない普通連休はダラダラするに限る」
「もう2日もダラダラしてるじゃん」
「だから、今日も目的を完遂する」
「二階堂さんはお兄さんとGSJ行くんだって〜」
「誰よ」
「ん〜?同じクラスのコ。なんかね――――
「私はお兄様にグローバルスタジオジャパンに連れて行って頂くのだけど、
小林さんは連休、どちらか行かれるの?あら、どこも行かないの?」
「まだ返事してないのに・・・」
「あなたもお兄さんに連れて行っていただいたら?
あ。アノお兄さんでは無理かしらねぇ〜(嘲笑)」
――――とか言ってたんだよぉ」
「なんじゃそりゃ。ってか、俺のこと知ってんのか?」
「うん。入学式のことで」
「ちっ」
「ともかく、今日だけでもどこか行こうよ〜」
「どこも混んでるだろ」
「わたしねぇ、観たい映画があるんだ〜」
「映画なんて手軽な娯楽こそ混んでんだろ」
「でも、ホラーだから一人で観に行くのもイヤだしさ〜」
「じゃあ友達でも誘え」
「午後の回は時間的にまだ3回くらいあるから今から出かけても十分間に合うし」
「おい」
「駅前でもやってるけど、せっかくならおっきい映画館で観たいよね〜」
「お〜い」
「新滝ノ沢のGrandMovixならそんなに遠くないし、いいよねっ!」
「聞こえてますか〜〜」
「ほら、そうと決まれば着替えて着替えてっ!」
「決まればって!」
「ホラホラッ!(ぐいぐい)」
「マ〜ジ〜か〜よ〜〜〜〜〜〜」
つづく
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