GLN鹿角釣り紀行

釣り紀行録「毛ばり釣りの追憶」

△県境を越えての釣り徘徊
 さて、もう一つの流域の奥には、銅の鉱山が稼行していた。
 そこの社員達に案内されて、すぐ近くの峰を越えてN県へ釣りに行くことになった。
 坑道を進み、一旦何十m(100m以上?)かの地底へ下りてから、 県境を越えるのであった。
 イワナの型は良かった。ここへは、時々首都圏の大学生のツリキチ達がやって 来るとのことであった。
 
 ところが、一二匹釣ったところで、有頂天になったのか、緊張し過ぎなのか、竿先を 折ってしまった。なんとか間に合わせようとしたが、一寸長さが足りなくなったので、 あとは釣れなかった。
 鉱山の釣り名人の釣果は上々で、傷みの早まるのを防ぐために、早速内臓をとり 流水で濯いでいた。
 
 地下の坑内は気圧が高いのであろうか、酒酔いしやすいと云う。帰路の途中、 地底坑道でビールを乾杯したが、気分は必ずしも優れなかった……。
 ジープに乗せてもらった長い林道の道のりでも、小用を我慢しつつ……、 苦くて心残りの思い出となってしまった……。

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