大湯環状列石:Aどこに住んでいたのか? |
△「万座」の意味するもの 大湯環状列石の南東側を流れる「豊真木沢川」の名称の意味することについては、 別掲〔71〕周辺の謎?の項で、その疑問を指摘している。 さて、一般的な認識としては、地名や建造物など、この世の総ての「物」には、 その「物」の存在意義を表す名前(名称)が付いている。換言すれば、その「物」が 何であるかが分るように、「物」に名前を付けることになっている。名前の付いていない 「物」とは、この世に存在していない、と云うこと(と云うことが前提)なのである。 ここでは、「万座」の地名について、考えてみたい。 「万」は、Goo辞書(Goo辞書とは、三省堂提供「大辞林 第二版」)によれば、 @(下に打ち消しの語を伴って用いる)(1)どうしても。まんいち。「―やむを得ない場合」 (2)けっして。万に一つも。「―遺漏なきを期す」 A(1)数の単位。千の一〇倍。また、数の多いこと。よろず。(2)万に一(ひと)つも 「可能性は―ない」 Bよろず。(1)数の単位、万(まん)。(2)数が非常に多いこと。たくさん。あまた。 「―の神々」(3)(副詞的に用いて)何事につけ。すべて。万事。「―ご相談承ります」 (4)種類が非常に多いこと。いろいろ。 Cよろず(姓氏の一) 「座」は、同じくGoo辞書によれば、 @「くら」と訓み、高く設けられた場所。「天の石座(いわくら)」など。 A「ざ」と読み、(1)座席。(2)集会や宴会などの雰囲気。(3)地位……… 大湯環状列石の万座遺跡の「万座」は「まんざ」と発音し、「イロイロ沢山のモノが 存在している(目出度い)トコロ」と解されよう。 決して「万が一にもそんな座」とは解さない。 わが国の地名などの呼称の仕方について、次のような歴史的な「きまり(ルール)」 があり、私共はこのルールに従って、命名することに何の違和感もない。 ただ、このルールは、大和朝廷による強制的な官命であったので、属地的な、元々の よって来るべき「名(名前の意味)」を失わせたと云う異見もあるようではあるが………。 「嘉名のこと」 |
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