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文字・言葉考集成

『万葉集』とは
H16.10.24
 万葉集の中には、幾つかの難訓な歌 − 「詠み方」に定説のないもの − があると されている。
 そのうち、現在に至って最も難訓とされているのが、次の第一巻第九首の額田王の 歌である。
 
莫囂圓隣之 大相七兄爪湯気 吾瀬子之 射立為兼 五可新何本
 
「莫囂圓隣之」「大相七兄爪湯気」とは、それぞれ何と詠み、何の意味なのであろう か。
 そこで、いろいろ考えてみると、
@これは、朝鮮半島(朝鮮語)に起因、ないしは朝鮮半島を強く意識したものであろ うか。
A又は、南方系(インドなど)に由来する言語(又は文字) − 例えばタミル語 − によって詠まれたのであろうか。
B或いは、国内の他の地方の言語(又は文字)を万葉仮名に置き換えて記述したので あろうか……
などの疑問が湧いてくる。
 
 なお、三句以降「吾瀬子之 射立為兼 五可新何本」は、ほぼ定訓で、「我がせこ (背子)が、い立たせりけむいつかし(厳橿)がもと(本)」の意で、「わが君がお 立ちになったとかいう、聖なる橿の根本」と解釈されている。

万両
写真提供「野辺のにぎわい」

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