△古事記 上巻 少名毘古那神
 
〈御諸山の神〉
 さて大国主神が、困っておられて、
「自分は一人で、どのようにしてこの国を作ることが出来ようか。いかなる神と共に自 分は協力してこの国作りが出来るであろうか」
と仰せになった。
 この時に、海を照らして近づいてくる神がいた。その神が仰せになるには、
「自分の御霊をしっかりお祀りすると、自分は協力してこの国作りを完成させてあげよ う。もし、そうでなければ国作りは、成功が難しいであろう」
と仰せになった。
 そこで大国主神が仰せになるには、
「そう云うことなら、お祀りする形はどのようにしたら良いか」
と申し上げたら、
「自分をば、倭(大和)の国の青々と垣みたいに巡っている東の山の上に、身を清めて お祀りすることである」
と仰せになった。
 この神が、御諸山の上に鎮座されている神である。
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