△古事記 上巻 須佐之男命の出雲降下 〈八雲立つ〉 このような次第で、速須佐之男命は、宮を作るべき地を出雲の国にお求めになった。 そして須賀(すが)の地に到着して仰せになるには、 「自分はここに来て、心が清々しくさわやかである」 と仰せになって、そこの地に宮をお作りになった。それでそこは今でも須賀と云う。 須佐之男命は最初に須賀の宮をお作りになった時に、その地から雲が立ち昇った。そ こで歌をお詠みなった。その御歌は、 八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を ここで(須佐之男命は)足名椎神を召喚されて、 「お前は、自分の宮の首(おびと)になってくれ」 と仰せになった。 また、名前をお与えになって、 「稲田宮主須賀之八耳(いなだのみやぬしすがのやつみみ)の神」 と仰せになった。 |