△古事記 上巻 伊耶那岐神・伊耶那美神
 
〈神生み〉
 このように国を生み終えられて、更に神をお生みになった。お生みになった神の御名 は、大事忍男(おおことおしを)の神、次に石土毘古(いはつちびこ)の神をお生みに なり、次に石巣比売(いはすひめ)の神をお生みになり、次に大戸日別(おほとひわ け)の神をお生みになり、次に天之吹男(あめのふきを)の神をお生みになり、次に大 屋毘古(おほやびこ)の神をお生みになり、次に風木津別之忍男(かざけつわけのおし を)の神をお生みになり、次に海の神、御名は大綿津見(おほわたつみ)の神ををお生 みになり、次に水戸の神、御名は速秋津日子(はやあきつひこ)の神、次に女性の速秋 津比売(はやあきつひめ)の神をお生みになった(大事忍男神より秋津比売まで、併せ て十神)。
 
 この速秋津日子・速秋津比売の二柱の神は、河と海とに持ち場を分担管理し、〔伊耶 那岐命・伊耶那美命が〕お生みになった神の御名は、沫那芸(あわなぎ)の神、次に沫 那美(あわなみ)の神、次に頬那芸(つらなぎ)の神、次に頬那美(つらなみ)の神、 次に天之水分(あめのみくまり)の神、次に国之水分の神、次に天之久比奢母智(あめ のくひざもち)の神、次に国之久比奢母智の神である(沫那芸神より国之久比奢母智神 まで、八神)。
 
 次に風の神、御名は志那都比古(しなつひこ)の神ををお生みになり、次に木の神、 御名は久々能智(くくのち)の神をお生みになり、次に山の神、御名は大山津見(おほ やまつみ)の神をお生みになり、次に野の神、御名は鹿屋野比売(かやぬひめ)の神を お生みになった。亦の名は野椎(のづち)の神と申す(志那都比古神より野椎神まで、 併せて四神)。
 
 この大山津見神・野椎神の二神は、山と野に持ち場を分担管理し、〔伊耶那岐命・伊耶 那美命が〕お生みになった神の御名は、天之狭土(あめのさづち)の神、次に国之狭土 の神、次に天之狭霧(あめのさぎり)の神、次に国之狭霧の神、次に天之闇戸(あめの くらど)の神、次に国之闇戸の神、次に大戸惑子(おほとまとひこ)の神、次に大戸惑 女(おほとまとひめ)の神である(天之狭土神より大戸惑女神まで、併せて八神)。
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