△古事記 中巻 品陀和気天皇(応神天皇)
 
〈吉野の国主〉
 また、吉野の国主(くず)たちが大雀命の腰につけておられる刀を見て、歌うには、
「誉田の 日の御子
大雀 大雀 佩かせる刀
本剣 末ふゆ
ふゆきのす からが下樹の さやさや」  
また、(国主らが)白檮(かし)の上に横幅の広い臼を作って、その横臼に大御酒を醸 して、その大御酒を(大雀命に)奉るときに、口で鼓を打って演技をして歌うには、
「白檮の上に 横臼を作り
横臼に 醸みし大御酒
うまらに 聞こしもち飲せ まろが父」
 この歌は、国主らが食物を奉る時どきに、常に今に至るまで歌う歌である。
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