△古事記　下巻　大長谷若建天皇（雄略天皇）
　
　大長谷若建命は、長谷朝倉（はつせのあさくら）の宮にお出でになって、天下をお治 めになった。
　この天皇は、大日下（おほくさか）の王の妹の若日下部王を娶った（御子はおらない）。 また、都夫良意富美の娘、韓比売を娶ってお生みになった御子は、白髪（しらか）の 命、次に妹の若帯比売（わかたらしひめ）の命である（二柱）。そこで、白髪太子の御 名代として白髪部を定められ、また長谷部舎人を定められ、また河瀬舎人をお定めにな った。
　この御世に、呉人（くれびと）が渡ってきた。その呉人を呉原（くれはら）に住まわ せた。それで、そこを名付けて呉原と云うのである。