△古事記 下巻 水歯別天皇(反正天皇)
 
 弟の水歯別命(みづはわけのみこと)は、多治比の柴垣の宮にお出でになって、天下 をお治めになった。
 この天皇は、身長が九尺二寸半、歯の長さは一寸、広さは二分、上下等しく整って、 まったく珠を貫いたように見事であった。
 
 天皇が、丸邇許碁登(わにのこごと)の臣の娘の、名は都怒(つぬ)の郎女を娶って お生みになった御子は、甲斐(かひ)の郎女、次に都夫良(つぶら)の郎女である(二 柱)。
 また、同じ臣の娘の弟比売を娶ってお生みになった御子は、財(たから)の王、次に 多訶弁(たかべ)の郎女、合わせて四王である。
 
 この天皇の御年は、六十歳である(丁丑年の七月にお亡くなりになった)。御陵は、 毛受野(もずぬ)にある。
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