鹿角一葉松
「はじめに」
 
△一葉松とは
 わが国では、昔から豊饒と平安をもたらす神霊が、 松を伝わってこの地上の世界に降臨すると信じられ、 伝説や昔話などにもしばしば登場し、神聖な木として崇められてきました。
 新年の家門に飾る門松は、同じ意味で神の降臨を願っているのです。
 
 松は、百木の長と云われていますように、樹形に気品さが漂い、 幹の姿や根の張り、また、彫りの深い樹皮の亀甲模様にも風格が感じられます。
 
 一般に松は二葉ですが、稀に一葉の松があります。
 これを一葉松と云い、学術上、希少価値が高いので、 天然記念物に指定されるものもあります。
 
 因みに松は普通、二葉か五葉ですが、わが国でもまれに三葉の松(三鈷サンコの松)があります。 おおむね神社か仏閣に植えられております。
 「松の趣」(リンク)

 一葉松とは、このように珍妙なる松であると、理解することが出来ます。
 この随想録は、一葉松にあやかって、また、一葉松に願いをこめて、 「鹿角一葉松」と名づけてみました。

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