「松館今昔:腹へった」

川原での焼きもの

 八月に入るとエモ(ジャガイモ)が穫れるようになるので、川原に 持ってくる。流木を集めて火を焚き、熱くなった砂の中にエモを入れて、 焼いて食べた。
 
 何にも持ってくる物がないときは、そこら辺を探し回る。
 ジャッコ(雑魚。ハヤ、ニガハヤ、カジカなど)は、何でも焼いて食べた。
 赤ふんどしをしたまま、小さい子供はムフウ(無封か。全裸のこと)のまま、 向かいの大里の田んぼの方へ行って、ケッコ(カラスガイか)を捕ってきて、 焼いて食べた。
 
 それでも足りないと云うか、何もないときは、モッケェ(蛙)である。
 稲の穂が出る前であったろうか、田んぼからモッケェ(トノサマガエルか) を捕まえてきて、皮をむいて、焼いて食べた。淡白な味であったと思う。

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