「松館今昔:松館の行事今昔」

早苗振り(サナブリ)

 結(ゆい。ヨィッコとも)とは、田植えや屋根替え、味噌搗(みそつ)きなど、 一時に多くの労働力を要する仕事をする際に、互いに人手を貸し合うこと(goo辞書)。
 人力で田植えをすると云うことは、大変忙しく労力を要する作業であった。
 六月中旬頃になると、各学校では「田植え休み」があった。四五歳の幼児から、腰の 曲がった老人たちまで、一家総出で作業をしてもなかなか追いつかないので、ヨィッコ をする。そのお返しは、田の草取りや、畑仕事などで済ませることもあった。
 
 そんな訳で、田植えが何とか終わると、一年の半分を過ごしたような気持ちになる。 その喜びを、ご馳走を作って、お礼方方々、関係者を招待してサナブリをする。
 この時期、山菜や竹の子などが採れるので、大変美味しい料理をいただける。
 最近では田植えは、機械が活躍するので、そんな慌しさはなく、何時の間にやら、 あっと云う間に終わってしまう。
 ヨィッコもなくなり、サナブリもなくなって、その代わりに田植え後に 行われるのが「各班対抗運動会」である。
 六月は、鹿角の郷は運動会の季節である。各集落の運動会が終わる地区(旧町村)の 運動会など、各集落、各地区で賑わっている。

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