「松館今昔:松館の行事今昔」

蒼前様(駒形神社)の祭り

 駒形神社は、蒼前様(そうぜんさま)とも呼ばれ、 関東箱根以北及び東北地方に祀られている馬神信仰とされる。
 
 ここ松館の蒼前様のお祭りは、旧暦五月五日(端午の節句)であった。
 祖母と私は前日の夕方、蒼前様の大鳥居に幟旗を立てたり、「蒼前様」の神像、 つまり石膏のようなもので作った、馬に乗った貴人の像を祠に納めたり、 当日の午後、それらや供えられた鏡餅を持ち帰った。
 
 蒼前様の参道の手前の下モ川には橋はなく、川を渡った所に大鳥居があり、続いて 小鳥居が立ち並んでいた。
 仔馬が産まれた家などでは小鳥居を奉納するので、小鳥居の数は二三十ほど建って いたような気がする。 一本のスギの木から、一基分の鳥居材を採材するので、左右の柱の太さはマチマチ であった。
 お祭りの当日は、馬の持ち主は早朝から来て、下モ川に馬を入れて洗い、 絵馬や鏡餅、お酒などを奉納し、 何がしかの料理を持参して、蒼前様の前で酒盛りをするのであった。 終戦前後は大変賑わっていた。
 
 供えられた鏡餅は結構な量であったので、それを1cm角程度の賽の目切りにし、 ザルに載せて何日か乾かす。それを鉄鍋で炒って、オヤツなどで食べるのであった。

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