オジナオバナは春彼岸に行われる行事であるが、三つの形態があるように
考えられる。 @墓地に火を焚いて、祖霊であるオジナ(お爺さん)・オバナ(お婆さん)を 招いてもてなし、団子を背負って帰っていただく。 A墓地よりももっと広い場所(田んぼなど)で、火を焚いたり、火の玉を 回したりする、多少娯楽性を伴った行事。 Bハサバ長根などの峰筋に陰暦月の数の火を焚いて、その燃え方で、その年の月の 天候の善し悪しや作物の豊凶を占う。 ここ松館では、@とBとが行われていたと記憶している。 墓地やハサバ長根の近くに萱屋根の民家があり、時代と共にだんだん雪消えが早くなり、 彼岸の頃には雪が少なくなって危険になったので、取り止めたのであろう。 墓地ではワラ、ハサバ長根ではワラやオガラ、豆カラなどを持っていった。 年上の人たちは、萱なども持っていったかもしれない。 墓地では、 彼岸入りのときは、「オジナオバナ、明かりの宵に団子しょいに来とれ、来とれ」」 終い彼岸のときは、「オジナオバナ、明かりの宵に団子しょって行っとれ、行っとれ」 と大声で叫んだ。 |
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