「松館今昔:松館の行事今昔」

注連縄(しめなわ)張り

 隣の村(集落)から進入する疫病や悪魔を防ぐために、各村々では 村の入り口の路上に注連縄を張り渡す習慣があった。
 ここ松館では、上ミの方は坊ノ前の辺り、下モの方は字松館下モ平88 川村家の辺りの路上に、それぞれ張り渡してあった。
 近年になって、大型車両が運行するようになったのであろうか、 何時とはなしに、この注連縄張りはなくなってしまった。
 他所の集落では、まだ注連縄張りが残っている所もある。
 
 この注連縄を張る所も、前掲「その他の神社の庚申様」の置かれている所も、 どちらも村外れである。
 と云うことは、私見(うがった見方?)ながら、
@この注連縄は、外部から入る「有害なもの」の進入を阻止する目的だとすれば、
A庚申様は、内部の「秘密(財宝も?)」を流出してはならない、
と云うことに……。

 ところで、以前、私の家の入り口に、太い豆柿の木が二本あり、それを 門柱にしていた。電線に邪魔になるので、上部は伐られていた。この豆柿の 門柱にも注連縄を張っていた。
 確か大晦日の頃であったか、毎年、祖母が左縄に綯った注連縄に、 紙垂(しで)や昆布・煮干などを挟んで張り渡したことがあった。

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