下タ沢会によせて(覚書)

守古がはるかに眺めた岩鷲山

 上山守古が殿様のお供をして尾去沢にきたとき、七曲りを上って峯に出て、「此 辺よの御城下岩鷲山遥に見ゆる」といっているが、私も何度もあのあたりの峯を歩 いているし、五十枚にも登っているが、それらしい高い山はさっぱり見えない(天 気のせいか、方向が違っていたのか)。岩手県の地図を見ても、岩手山とか姫神山 とか早池峰山とかはすぐわかるが、岩鷲山は見つからない。こっちから見えるとす れば、岩手県の一番高い山は岩手山だと思うから、それだと思うが、岩鷲山はわか らない。それで岩手の県立図書館であったか博物館であったか聞いてみたら、岩鷲 山とは岩手山のことだという。信仰の対象となるときは、岩手山大権現という(山 頂の碑とか祠とかあると。)。岩手を音読みしてガンシュ、またはガンシュウとい うと。そして春になって、雪が消え谷に残った形がワシの姿に見えることから、岩 鷲山といったと。また天気のいい日、五十枚に登ったら、その方をしっかりにらめ てみたいと思っている。

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