下タ沢会によせて(覚書)

わらじ洗って10万円

 ということは、一つの資料から結論を出すということは無理な話しで、いろいろ 資料をつき合せて、煮詰めて行かなければわからないことで、いくら私が何代目が 何年の年に(何歳)といってみたところで、しょせん井の中の蛙で、肩のこるだけ の話しだが(本当は真面目に計算してみた)、骨折り損のくたびれもうけ、という ことで、一休みすることにして、
 
 二代目半蔵の記事のところに「元禄八年長坂山を見立御掘願上候処願の通り仰付 られ」とある中に、私達がよく聞く”ワラジを洗っても砂金が取れた”という話し をこう書いている、「同十二年より鋪口へ水風呂相建日日わらじを洗ひ候ても二三 拾匁づつ取申候」と。そこでまた計算してみると、1匁3.75gとすると2〜30匁で75〜 112.5g×1,200円として、9万円〜13万円5千円。ワラジをバシャバシャと洗って、日 に10万円も稼いだら面白くって止められネェ、となるだろうが、金山としての長坂 は寿命が短かったようである。

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