下タ沢会によせて(覚書)

テッコ物語り

 さて、何んでテッコなのか、私も親からはっきり聞いたこともないが、生れた頃 とて体が弱かった。それで丈夫になるようにと、尾去の別当さんかに、別の名前を つけてもらった。それがテイイチ(貞一?)だったとか。以来テッコで、おかげさ まで今も元気でいる。私には慶一という兄がいたが(一ツ上)、生まれて100日くら いで死んでいるので、私は、兄がいたなどとは全然思いもしないで、大きくなった。 ということで、私はやはり体が弱かったせいか、皆と一緒に遊ばないで、家のまわ りで一人言をいいながら遊んでいることが多かったようだ。それで私の父は、それ を「神遊び」といったようだ。神さまと話しをしながら、遊んでいるんだ、と誰か に話しているのを、聞いたような記憶がある。昔の人は(私の父も含めて)、いい ことをいったものだと思う。まだ「神かくし」などという言葉が生きていた世代の 生れだ。今なら精神なんとか、なんとかうつ病とか名前をつけられていたかもしれ ない。

 テッコで思い出したが、信雄さんの姉さんは「イネ」といって、私達と同級生だ ったが、なぜか知らないが、下タ沢では「クコ(クッコ)」だった。

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