夜明島渓谷探勝のしおり

夜明島の伝説

伝説 その2  夜明け島という地名(天狗の飛び去った夜明け島)
 
 長牛という集落の西南に「若狭淵」というところがある。
 昔むかし、神様たちが天狗と話し合いをし、この所に一夜のうちに橋をかけることができ たら、この地方の支配をお前たちに任せることにした。
 天狗たちはこれを聞き或る日の夜、大威張りで橋架けの作業をはじめた。ものすごい勢いで仕 事を進め、夜の12時頃には橋桁を架け終えた。
 この勢いで作業を続けられると夜明けまで橋を架け終えるに違いない。元来性質の荒々 しい天狗どもであるから、この地方を天狗どもに任されると、ここに住む人たちは天狗に苦し められ、安心して生活ができなくなるから、早く天狗どもに帰ってもらったほうがよいと思い、 時を告げる一番鶏を鳴かせた。また二番鶏を鳴かせた。天狗どもはその声を 聞いて、もうそろそろ夜が明けると、サッサッと引き帰してしまった。
 このことから夜明島と名づけられたと言われている。
おしまい。
 
 昔、長牛川と呼ばれていたのではないだろうか。

 鹿角由来集 (延享五年(1748)の筆写本に次のように載っている)
米代川菱床橋天狗御掛長牛川若狭渕橋御掛仙北海(街)道可被成由ニ而 釣木御引懸候時夜明申候ニ付天狗ハ御飛被成

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