鹿友会誌(抄)
「第五冊」
 
△会誌第五冊に係る詩歌
 鹿友会誌の久しく見えで、今第五号を出すと聞きて、喜ひ余りに、拙き言葉もて、入 梅のあけし頃 川村十二郎
 叢雲も皆はれわたり天つ日の 光りのとけき今日そうれしき
 
 梅の花を文に入れて故郷の親の許へやるとて   仝
 梅の花遠くへたてゝふる郷の はらから見舞ふ身代りにやる
 
 人に交りとむとて文やりけれと、久く返事せさりけれは、風いたく吹きける日、よみ てやる
 あまつ風心もあらば我かゝたに よるかよらぬか吹きて知らせよ
 
 去東都向台湾   石井東洲
慇懃握手別離愁。雲帆盈風路悠々。恋々欷歔陽関曲。梅花翻風浮江頭。

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