鹿友会誌(抄)
「第四十一冊」
 
△思ひ出の記事
○私の幹事長時代の思ひ出
 本会の発展を計る条件としては、差し当って右に述べし学生の集会を計る事、貸費卒業在職者の 返金誠意実行、奨学資金寄附金未納分の回収整理、普通会費滞納分の整理等、以上の問題を解決する 事により、其の目的を達せらるゝものと愚考致すところであります。
 
 尚ほ此の際特に希望を添へるならば、役員の任期終了更替の実行といふ事で、例せば幹事長は 二期間重任を限度とする事、これは自分の尊敬する先輩の言として、常に同感の意を表し居る事柄 でありますが、新任された一ケ年は仕事そのものに馴れる為めの実習期間で、後の一ケ年は仕事にも 馴れ興味も湧き、張り切って仕事の整理、進んでは刷新を計り、能率の最も挙がる期間であり、 第三年目ともなれば、所謂仕事の要領を利し、骨休みの形ともなり勝ちなものであるとして、 仕事の張り当てに苦心を払へ、異状の能率成績を挙げ、現在或る実業会社の名社長として其の手腕を 認められつゝある先輩の言を引用する様なれど、此の意味に於ても二ケ年限度は適当と考へられます。
 
 評議員及び地方委員の適時更替、即ち評議員は毎年の改選期に全員の三分の一内外の更替、 地方委員は大体各町村に於ける実情に照らし、半数位の更替の事に致し度く、これ等の事は言ふべく して実行に移すには、相等の努力と決断等を要する事ながら、斯くせざれば旧套を脱し得るは何れの 時ぞや、と言はざるを得ぬ事と考へらるゝ者で、来たるべき総会に選ばるゝ新幹事長に対し、 今日より特に提言希望を陳べ置く次第であります。以上

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