鹿友会誌(抄)
「第三十五冊」
 
△追悼記
○故川村眞明君
 機鋒峻烈の学徳、菩提心に充てる政治家として、その社会を愛する偉大なる力を持って、 鹿角仏教会を創立し、俗僧として報国の実を挙げられた。又作詩に於て、 書道に於て一家の風俗を備へられ、その恩威共に見る容姿を以って、座談に講演に議論に 何人も頭を下げざるを得なかった雄弁家であった。
 だが、今は幽明界を異にする身である。一期の幻身なるは如何に風雪の如くなればとて、 その悲歎何物か是に過ぎんやである。

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