鹿友会誌(抄)
「第三十五冊」
 
△近詠十句   渡邊冬園
 植えかへし葵は咲きぬ小さき花
 雲の峰煙突高く聳えけり
 日ぐらしの声に暮れゆく山の湖
 滝しぶき浴びつ滝壺眺め居る
 炎天や浜のテントに眠り居る
 風に踊る木陰がうつる日傘かな
 虫の音や燈籠高く灯り居る
 百舌が鳴く上野の森や絵に歩るく
 眼に映ゆるネオンサインや秋深し
 茶屋に居て滝真向ふや紅葉狩

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