鹿友会誌(抄)
「第二十四冊」
 
△亡友追悼録
○大里親榮君
 大正十二年一月二十七日、正会員大里親榮君逝去せらる。
 君は慶応元年二月五日、盛岡市山岸に生る。盛岡市仁王小学校卒業後数年間、鹿角郡 小阪鉱山へ勤務、其後上京、工手学校に入学せらる。明治二十三年七月、同校採鉱学 科及び冶金学科を卒業し、直に小阪鉱山分析係奉職、明治三十年、精鉱課精製係長に任 ぜられたり。
 明治三十六年十月、島根県大森鉱山へ転勤し、同年十二月、大森鉱山精鉱係長に任ぜ らる。大正二年五月願に依り職を免ぜられ、六月仙台市に移住、後、亜炭山経営。
 大正十二年一月二十七日午後六時二十分、脳出血症にて遠逝くせられたるは、哀惜の至 に堪へず。謹んで弔意を表す。

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