鹿友会誌(抄)
「第二十三冊」
 
△俳句「水明集」   樹人
 山焼や終日映る湖の上
 簷伝ひ居し蜂消えぬ青空に
 春眠を守る襖の花鳥かな
 蜂焼くや落ち逃げし一つ忘るなし
 辛夷咲ける淋しさ打つや城の畑
 厩尻開けて明るき花菜かな
 背戸川や芥つゞきて夏近し
 寝し灯明し机の上の金魚玉
 納屋の裏より筍へ径通ひけり
 見る人に誘ひ暮るゝ牡丹かな

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