鹿友会誌(抄)
「第十六冊」
△翁の俳句
天長節 菊いろいろ天長節の眺かな
春 傘と傘込合ふ市や春の雨
約束の客の遅きや春の雨
夏 夕立や気味好うはねる池の鯉
風先へ枕すゝめて昼寝かな
秋 気も廣うなる心地して月の海
はね過ぎて水に流るゝ螽かな
照り降りの都合はよくて稲の花
冬 機を織る音のはづみも小春哉
松に雪かゝりて高し冬の月
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