GLN「鹿角の温故知新への旅・鹿角先人列伝一覧」

阿部新

参考(出典):「鹿角市史」
 
△鹿角市史第二巻上 序
 昭和五十七年の第一巻刊行に続き、このたび第二巻(上)を発行する運びとなりました。
 第二巻は近世編として江戸時代を取扱っております。 南北に細長い鹿角盆地をとりまく山地は豊かな鉱床と森林資源を包蔵し、はかり知れない恩恵を私たちに 与えてくれました。
 鹿角の地はその豊かな資源とともに、鹿角二万石と謳われた農業生産と、藩境を扼する物資交流の拠点、 交通上の要衝としてまさしく藩内枢要の位置を占めてきました。 また、花輪、毛馬内の在町の発達に伴い多くの豪商を生んだことも特色の一つであろうと思います。
 
 封建体制の下で営々と続けられてきた祖先の生活の営為は、現在豊かなに広がる田園を生み、 他地域にみられない数多くの文化財、良風美俗を子孫の私たちに伝え残しています。
 今ここに、恵まれた資源を背景に栄えた産業と文化がどのように蓄積されたのかを回顧する時、 直ちにこの優れた遺産をいかに継承し、伝統をどう発展させればよいかという設問に突き当たるのでありまして、 この重大なテーマに答えてくれるのが正に本市史であろうと思うのであります。
 
 本巻はその時代の政治・経済・文化の面において画期的な解明を行なっております。 これは市民各位から提供して頂いた古文書が与って貢献していることは勿論でありますし、 加えて盛岡藩家老席日誌等の基礎資料の調査と利用にあったと思われます。 これは又、執筆者の長年にわたる歴史研究による高い見識に基づいたものであることは云うまでもありません。 ここに、これまでの関係者各位のご努力とご協力に対しまして厚く御礼申し上げる次第であります。
 
 最後に、自然と文化の一体として存在する鹿角を再認識する為、更には新しい鹿角市を創造する為に、 本市史が多くの市民に愛読されるよう心から希望するものであります。
  昭和六十一年六月二十日
     鹿角市長 阿部新
-------------------------------------------------------------
△鹿角市史第二巻下  

[バック]  [前画面へ戻る]