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「鹿角」 |
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△四 鉱業地としての鹿角 ＜不老倉鉱山＞ 本鉱山は鹿角郡大湯村にあり、来満街道の終点に当り、大湯温泉より三里半、道路は近時改修せられて 車馬の交通自在である、天和元年の発見に係り、旧藩時代は御留山と称して他の採掘を禁じたのであったが、 明治二十一年古河鉱業会社の手に移るに及んで、逐年設備を増し、隣鉱区細地をも合わせて有数の銅山 となったのである。 採鉱選鉱の状況は大異なきを以て省略するとして、最近数年間の産銅額は年約三百万斤に垂んとして 居るが、近来は小坂鉱山に売鉱して、自山にての精錬は休止して居る、而して目下鉱業不振に会し、 事業稍々保守的に傾き来りしは又止むを得ぬ情勢であろう。 此外二葉鉱業株式会社の花輪鉱山は、花輪町の東方外山にあり、鉱量の豊富なると銅含有量の 多きとにより、花輪町に到る鉄索は架設完成せるを以って銅価恢復を待って、大々的採鉱に取掛る べく期待せられつゝあるのである、 其他一時盛に稼行せし山にて目下休止中のもの数多あるも、夫は総て省略することゝする。 鹿角の旧鉱 |