[鹿角の演芸・宴席芸能] |
△舞歌・杓子舞 東西な東西な 何舞もかに舞も おっとりおいてさしおいて 長者の前ではやされた 杓子舞とはやされた そこらで調子コたのむでぁ……… 東西な名東西な 一番目の一太郎は 博打うちの名人で 二番目の二次郎は どら打ちの名人で 三番目の三次郎は 杓子打ちの名人で 大鋸小鋸 前カンナ(鉋)に前チョンナ(手斧チョウナ) マサカリ(鉞)背負いこんで 一の坂をもえんこえこ 二の坂をもえんこえこ さあさ出かけだ そこらで調子コたのむでぁ……… 東西な東西な 三の坂の坂中で 腰をしおりと休めて 杓子木を見たれば 杓子木もありそうだ 一に切る木はイタヤの木 二に切る木はにんじゅの木 三に切る木はサクラの木 四に切る木はシ(シナ・李スモモ?)の木 五六に切る木はナシの木 八に切る木はヤシの木 クリの木 トチの木トチの木の 風折れ 風折れで 杓子三丁打ち出した そこらで調子コたのむでぁ……… 東西な東西な 花輪の町さ出そうが 大湯の町に出そうが 毛馬内町さ出そうが 杓子三丁ふんジョッて(背負って) さあさ出かけた出かけた そこらで調子コたのむでぁ……… 東西な東西な 毛馬内町の萱町で 白犬黒犬ゴマ犬が 三次郎めがけて吠え上がッた じくなし三次郎怒って ふんジョッて来た杓子で 犬の小鼻が欠けるがな 杓子の小鼻が欠けるがな わったわったとぶったでァだ 犬の小鼻が欠けないで 杓子の小鼻が欠けた そこらで調子コたのむでぁ……… 東西な東西な 杓子売りも数あれど 小鼻の欠けた杓子をば 売り物にならぬため 杓子売りもこれまでだ またの時節とあぎらめて 杓子舞もおしまいだおしまいだ (伝承者 大欠・米沢甚作)
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