[鹿角の演芸・民俗芸能] |
川原大神楽「川原万歳」 △「煤掃き」 才三 去年のつめに、お前さんたちさ煤掃きに行きました。あっちの角掃き、こっち の角き、はや掃けたところが、お前さんだちの女将さんが、才三、蔵さあべと言いまし た。何しに行くべえと思って、後さついて行って見たところが、お前さんだちの女将さ んが、豆だわら三段小またに乗って、才三、今くちてけろ、今くちてけろと言いました。 太夫 何さ。 才三 豆さ、豆さ。くちたもくちた。三升なえ、五枡くぢりました。 太夫 それは、五枡なえ、三升というものだナ。 才三 なるほど、五枡なえ、三升くぢりました。それを、家さ持って帰って、ガラン モラン、ガランモランと煎りました。はや煎えたとところが、お前さんだちの女将さん が、才三、豆まきだと言いました。 太夫 なんと言ってまいたがナ。 才三 何の目打、鬼の目打、鬼は外、福は内とまきました。さあまいたところが、あ っちの角から、赤鬼、青鬼、モチモチと出てきました。一番おしまいに、お前さんだち の女将さんの納戸から、大将鬼とみえる赤鬼が、ノソリノソリと出てきました。俺はな えというて、鬼の褌をにたりとつかみました。鬼は逃げる気になる、俺は引っ張る気に なる、中々しないものでがんした。 太夫 ところで、その鬼の褌は、虎の皮どあったという話でないかナ。 才三 いえス、いま言うたのはみな嘘の皮でがんす。 太夫・才三 上には鶴、下には亀。 (以下の演目は省略)
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