56 十二支(大湯)
 
                 参考:鹿角市発行「陸中の国鹿角のむかしっこ」
 
 昔、あったのです。
 ある時、神様が十二支を決めると言って、「つめ(年の暮)の十二日に集まれ」とお
触れオフレを出しました。
 猫は鼠に、
「何日に集まるのか」
と聞いたら、鼠は、
「十三日に集まるのだ」
と騙ダマした訳でした。
 その時になったら、牛は「一番先に行かねばならない」と食物タベモノを背負って、夜も
寝ないで行くつもりで歩いていたら、鼠が見付けて、食物の陰に隠れて行った訳です。
 そして、神様の前に来たら、
「俺オレが一番だ」
と、ポンと飛び出しました。
 それで子ネ、丑ウシの順となって、鼠が一番になりました。
 そして、決まったところへ猫が遅れて来ました。
 それから、猫と鼠は仲悪くなりました。
 神様は困ったことだと思って、それから鼠は家の中に入れて置くことにしたそうです。
 どっとはらえ。

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