1902 節句にまつわる話ッコ 参考:鹿角市発行「十和田の民俗」 昔、昔あったのです。 ある所に一人の若者が居ました。毎日嫁探しをしていました。 「まんまかねぇで(ご飯を食わないで)、仕事は一杯稼ぐ、嫁ッコ欲しいものだなあ」 と言いました。そしたら、そう云う嫁ッコが授かりました。 まんまかねぇ筈なのに、米俵が段々無くなりました。どうしたことだろうと思って、 隠れて見ていたら、誰も居ない夜中に、大飯を食っていました。 あるとき、姑礼シュウトレイに行きました。そうしたら、その嫁が、大きい口を開けて、親 父にかかってきました(襲ってきた・言いがかりをつけてきた)。親父はびっくりして、 逃げました。そうしたら、菖蒲とヨゴミ(蓬ヨモギ)が一杯茂っている所があったために、 親父はそこへ入って隠れました。 嫁に化けた鬼は、とうとう親父を探せないで、あきらめて逃げていってしまいました。 それからは、節句に菖蒲とヨゴミを刺して、魔除けにしたそうです。どっとはらぇ。 (大湯)[次へ進む]