1101ばかもこ話(八幡平)
 
                 参考:鹿角市発行「陸中の国鹿角のむかしっこ」
 
〈その二〉
 ・・・・・・・・また家の人は、
「飯ママを御馳走になってから、湯っこを飲むときは、熱い湯っこをふうふうと吹き付け
て飲めば、童子ワラシみたいだと云われるので、大根こ(大根の漬物)を残して置いて、そ
れで茶碗の湯っこを掻き回せば、湯っこは冷めるのです。そして、冷ましてから飲むも
のですよ」
と教えました。
 婿が、舅の家へ行って、飯を御馳走になったために、大根こで掻き回して湯っこを飲
みました。それから舅の家の人に、
「湯っこが沸いていますので、湯っこに入って呉れろ」
と云われました。
 そのために湯殿へ行って、着物を脱いで入る気になったら、熱くて入られなかった。
そこで婿が、大きな声を出して、
「湯っこが少し熱いので、大根こを持って来て呉れろ」
と大き声を出して、叫んだと云います。
 どっとはらえ。

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