06 殺された狐(大湯)
 
                 参考:鹿角市発行「陸中の国鹿角のむかしっこ」
 
 昔ありました。
 ある処に貧乏な百姓が居ていました。
 嫁っこ貰って暮らすうちに、飯ママを食うときの様子が何としても、おかしいと思うよ
うになりました。
 狐が犬を喰うときのように、耳がピリピリ動く訳です。これだと化物バレモノでしょう。
どうも魔性マショウだと思って、とうとう槍ヤリで突いて殺してしまいました。
 そうしたら、何としても本性を現さない訳です。
 「これは勘違いしたしたのではないか」と、死体を始末しようとしたとき、朝日が射
して来ました。
 そうしたら、見る見る変わって、大っきな狐キツネであったそうです。
 そうであるから、朝日は拝まなければならないものです。
 どっとはらえ。

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