140 臭い狐の話
 
                       参考:鹿角市発行「十和田の民俗」
 
 昔は、小坂へ行くのに、足で歩いて山を越え沢を渡って行きました。帰りには、暗く
なることもありました。
 真っ暗な夜などは、狐は人に化けて、道端に座って、タバコをくわえていることもあ
りました。
 
 あるときなどは、二人も三人も、ぞろぞろと狐につかまって、
「狐だ、除けろ」
また、隣りの婆様達も、狐につかまって、
「狐だ、狐だ、除けろ」
と、このように、道端に座っていた狐は、『随分臭い』ものだったそうです。(長者久
保)
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