139 狐に化かされて死んだ話
 
                       参考:鹿角市発行「十和田の民俗」
 
 ある家に、跡取り息子の若い男が居りました。
 旧暦の二月一日、ある親戚の四十二歳の厄払いの宴席に、その男も招待されました。
 若い男は、大層ご馳走になり、酔っぱらいました。親戚では、泊まって行くよう勧め
ましたが、無理矢理帰って行きました。
 若い男は、赤飯やら、餅などを沢山いただいて帰る途中、ものすごい吹雪に遭いまし
た。
 
 実家では待っていましたが、何時まで経っても帰って来ませんでした。
 そこで探してみたら、小淋しい処で、料理などはみんな散らかして、顔などに傷を負
って、死んでいたと云う。(根市)
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