129 節分の昔ッコ 参考:鹿角市発行「十和田の民俗」 昔あったと云うことです、 ある所に、貧乏な婆さんが居たと云うことです。節分が来ても、撒く豆もなく、近所 から、 「鬼は外ー福は内ー、鬼の目うちー」 と言う、豆撒きの声を聞き、『オレも、撒きたいなあー』と、思いました。 貧乏な婆さんは、トフカシ(豆腐粕)が一杯あったことを思いだし、台所から大きな 笊ザルとトフカシを一杯持ってきて、 「鬼はうち、福はそとー」 と言って、トフカシを撒いたそうです。そうしたところで、鬼はとっても喜び、 「誰も俺のとこを呼ばって呉れないのに、お前ばかりだ」 と言って、宝物を一杯持ってきて呉れました。それから婆さんは、幸せに暮らしたそう です。どっとはらぇ。(大欠)[次へ進む] [バック]