127 カナ雀物語
 
                       参考:鹿角市発行「十和田の民俗」
 
 昔、ある処にカンコと云う綺麗な娘がありました。
 あんまり綺麗なので、どこへも出さないで、二階にかくまっておきました。そうした
ら、あるとき、窓から忍シノビ(忍者・泥棒)が入って、その娘をさらって行きました。
 
 家の人達はびっくりして、
「うちのカンコよ、どこへ行ったー」
と、泣いていました。そこへカナ雀(セキレイ)が飛んできて、砂の上に、
「カンコ、ご殿に行った」
と、しっぽで書いて知らせました。
 
 ご殿へ訪ねて行ったら、カンコは、そのご殿の長者に囲われていました。
 そのことがあってから、カナ雀は『良い鳥』とされ、誰にも捕られないと云うことで
す。どっとはらぇ。(丸館)
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