6105堀内ホリナイ「弘法伝説」(大湯)
 
                参考:鹿角市史編さん委員会発行「ふるさと散歩」
 
〈第一話〉
 みすぼらしい旅僧が村に立ち寄り、一飯イッパンを乞うた。その家の主婦が意地悪く断
コトワり、
「土間ドマの大根でも」
と云うのさえ、
「苦ニガくて食べられない」
と拒コバみました。
 それ以来この村の大根が苦くなり、旅僧は弘法大師でした。
 
〈第二話〉
 その旅僧を親切にもてなした家で蕨ワラビを所望され、
「これは苦くてすぐには食べられないものだ」
と説明したが、それでもと言うので煮たところ、苦味ニガミが無くなった。
 それ以後、阿久谷アクヤのある場所に、苦くない蕨が採れる、と云います。

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